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31月/102

青木真也、ダイナマイトでの「中指立て」「骨折り」のまとめ

想像以上に物議を醸しているダイナマイトでの青木vs廣田の試合。

自分がかなり格闘技ファン寄りの立場だと自覚しつつ、あの試合で起こった事を表面的にだけ捉えられてしまうのは勿体無いので、まとめてみます。

あくまでネット上で見つけた意見をまとめてみると、問題になっているのは以下の2点。

  1. レフェリーが試合を止めた後に、負けた廣田に対して中指を立てたり、腕を折ってやったぞ!という意味にとれるアピールを行った青木の態度
  2. 対戦相手の腕をあえて折ったという行為(試合後の「腕を折りにいった」という発言から)

まず、1に関しては個人的にはそんなに気にならなかったのですが、本人も認めている通り、スポーツマンとしてはいただけない。強いて言えば競合団体との対抗戦であり試合前からお互いに挑発していたという経緯もあるので興奮しすぎてしまった、もしくはショーとして対立構造を明確にするためのパフォーマンスであったとも取れなくはないですが、まあやりすぎですね。これは批判されて然るべきこと。
※ブッカーである川崎氏のブログによると、相手側のセコンドにはきちんと挨拶しに行っていたとのこと。

しかし、2に関して言えば青木が責められる事はひとつもないと考えています。

なぜ「折りにいった」かを想像すると、いくつかのポイントがあります。

  1. 相手がギブアップするかレフェリーが試合を止めるまでは試合が続くから
  2. 折れない程度に技をかけ続けているだけだと、スタミナをロスして抜けられてしまう可能性がある
  3. 関節技は打撃に比べて決められるチャンスが少ない。決めるまでに時間がかかる
  4. 対戦相手が「あんなのは決まっていなかった、俺はまだやれた」とゴネる場合がある

つまり、技が決まっていても、試合が続く限り青木の勝ちは約束されていません。

関節技を決めるには腕力を使うため、試合が長引けば長引くほど力も弱まるし、汗で滑ったりするようになるので青木のような関節技主体の選手は不利になります。

一方、廣田はパンチが得意な選手。一発でKOできるパンチを持っています。打撃は1秒で試合をひっくり返すこともできるので、青木は一度決めた技から逃げられる事は絶対に避けたかったわけです。だからこそ「確実に折りにいった」。
※ちなみに、2009年08月に戦極という大会で行われた廣田の試合では、北岡という関節技主体の選手が関節技を決めきれずにスタミナを消耗し、廣田に負けてしまいました。

こういう場合、責められるべきは試合を止めなかったレフェリーや止めさせなかったセコンド。そして折れるまで我慢した廣田は自業自得ということになります(最後、口頭でギブアップしていたという説もありますが・・・)。廣田のような豪快なKOができる選手は好みなので、さっさとギブアップして欲しかった。

たまに、関節が非常に柔軟なため普通の人なら完全に折れている角度でも平然としている選手もいて、レフェリーストップの後に猛烈に抗議する場合があります。ライバル団体同士の対抗戦だったこともあり、こういった言い訳をさせないように、試合を止めないなら折るぞ、という意識がはたらいたのかもしれません。

最後に、Yahooニュースに掲載されていた試合後の青木のインタビューを引用しておきます。見出しにある「最初から折りにいった」という発言はどこにもありません。

これを機に、格闘技に興味を持ってくれる人が増える事を祈ります。

■青木「今回は最初から折りにいった」

――会心の一本勝ちでしたが、今の気持ちは?

DREAMが勝つことができてよかったです。SRCを終わらせてやったから、まあ最初から終わってるんですけど。

――対抗戦が青木選手の前までで4勝4敗という形でまわってきて、どういう気分でした?

ぴりぴりしたというか、まあ久しぶりに緊張しましたね。

――試合で一本勝ちしたときかなりエキサイトしてましたが、普段の試合と何か違うことはありました?

試合終わった後に、ちょっと興奮して失礼な態度をとったことは素直に詫びたいです。本当に興奮する試合でした。

――試合の内容について伺いたいんですが、フィニッシュの技の名前は?

技の名前はですね……何だろうね……笹原圭一2010(笑)

――その心は?

笹原さんがね、刺しに行けっていうんで、ちゃんとしっかり刺してきたから笹原圭一2010(笑)。

――3月にDREAMが開催されるという話ですが、参戦の意思はありますか?

笹原さんたちが「やれ」っていう場所でやるのが僕の生き方なんで、その生き方は2010年も変わらないです。もし笹原さんが刺しに行けっていうなら、Strikeforceにだって行くし、谷川さんだってやるかもしれない。

――先ほど川尻選手との戦いを妨げるものは何もないと笹原さんが言っていたのですが、早ければ3月にも実現するかもしれないのですが、それについてはどうですか?

そうですね、僕も本当は今回決まっていた話ですから前向きに考えています。僕自身、川尻達也っていう選手に対して愛があるし、同じ仲間ですごく大好きな 選手だし、彼とだったらすばらしい試合ができると思います。繰り返しますが僕も前向きに考えています。本当は今回決まっていたことですから、それが流れた ことが僕の今回のモチベーションだったんで。

――年を越したということで今年の抱負は?

今年も格闘技をガチンコでやりたいです。とにかく楽をせずに、逃げ出さないこと、投げ出さないこと、負けないこと、信じることが一番大事かなと思っています。

――フィニッシュの感触はどんな感じだったんですか?

極めた時点でバキバキって鳴ってたんですけど、こいつタップしないなと思って、まあそれが彼の意地だったんでしょうけどね、だから躊躇(ちゅうちょ)なく折りました。

――折れたような感触はあったんですか?

そうですね、パコーンと音が鳴ったんで「折れたな」って。倒れても止められちゃったんですけど、抜けてもよかったとは思ってました。

――抜けたっていうよりも折れた感じ?

抜けたというか、折れたというか。

――相手を骨折させたことは初めてではなかったと思いますが、同じような戦略、同じような音だったんでしょうか?

いや、まったく違いますね。前はアクシデント的な感じで、まあ壊す技なんですけど、今回は確実に折りにいきました。

――試合終わったあとに興奮して、リングの中で侮辱する行為をし、一言も何も言わずにロッカーに帰ってきたのは、B・Jペンのような選手をイメージして、そういうふうに振舞っているのでしょうか?

難しいこと言うな~(笑)。イメージ的にはB・Jペンの手を組んで帰るようなイメージですよね。それぐらい興奮したんです。あなたも好きね、格闘技(笑)。

――DREAMが3月にあると今、話にあがっていましたが、スコット・コーカーがStrikeforceをやる時期に青木選手を呼びたいと話していたので、米国で積極的に出場するということはありえますか?

非常に難しいこと聞いてくれますね。笹原さんが「ここで試合をしろ」っていう場所が僕の試合をする場所なので。極端なことを言うと僕はDREAMとも契 約していないし、FEGとも契約していないし、リアルエンターテインメントに僕はつながりがあるわけで、笹原さんが試合をしろという場所で最高のパフォー マンスを発揮することが僕の仕事です。